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森本 裕一*; 落合 謙太郎; 佐藤 聡; 堀 順一; 山内 通則*; 西谷 健夫
Fusion Engineering and Design, 69(1-4), p.643 - 648, 2003/09
被引用回数:4 パーセンタイル:31.64(Nuclear Science & Technology)ITERでは、運転停止後にクライオスタット内で人間による直接保守作業を実現することが重要な課題であり、停止後の線量を精度よく評価する必要がある。しかしながら停止後線量評価手法の精度は実験的に確認されていなかった。原研FNS(Fusion Neutronics Source)では、線量評価手法の精度評価を目的としたベンチマーク実験を実施した。実験は、線源領域と直管ダクトでつながれたキャビティー(作業空間)を模擬した体系で実施し、14MeV中性子を合計60時間照射後、冷却期間をITERで想定されている10秒(11.6日)として線量を測定した。ITER JCTで開発されたモンテカルロ法に基づく線量評価手法を用いて、照射10秒後における1cm線量当量率を評価した結果、この手法は実験値を10%以内の精度で再現可能であることがわかった。
桜井 淳; 植木 紘太郎*
日本原子力学会誌, 43(4), p.351 - 352, 2001/04
モンテカルロ計算のここ四半世紀における発展の経緯をまとめた。特に核データ信頼性評価用ベンチマーク実験解析に携わった経験を通し、計算の精度が向上した経緯をまとめた。最近の臨界ベンチマーク実験解析では中性子増倍率が0.001の不確定を問題にしており、従来無視してきたU-234の考察が欠かせないことを指摘した。
村田 勲*; 西尾 隆史*; Kokooo*; 近藤 哲男*; 高木 寛之*; 中野 大介*; 高橋 亮人*; 前川 藤夫; 池田 裕二郎; 竹内 浩
Fusion Engineering and Design, 51-52(Part.B), p.821 - 827, 2000/11
被引用回数:8 パーセンタイル:50.62(Nuclear Science & Technology)LiAlO、LiTiO、LiZrOは核融合炉の先進増殖ブランケットの候補材料として開発が進められている。しかし、これらの材料に関するD-T中性子によるベンチマーク実験はこれまでに行われたことがなく、したがって核設計に使われる核データの精度検証も行われていない。そこで大阪大学と原研の協力により、原研FNSにおいてそれらの材料に関するベンチマーク実験を行った。10~40cm厚の実験体系にD-T中性子を入射し、背面から漏洩してくる中性子のスペクトルを飛行時間法により0.05~15MeVのエネルギー範囲で測定した。また実験解析を輸送計算コードMCNP及び4種の評価済み核データファイル(JENDL-3.2,JENDL-Fusion File,FENDL-1,FENDL-2)を用いて行い、実験結果と比較した。その結果、これらの核データに大きな問題点はなく、信頼をもって炉の設計に使えるものの、今後のデータの改良につながるいくつかの知見が得られた。
Kokooo*; 村田 勲*; 中野 大介*; 高橋 亮人*; 前川 藤夫; 池田 裕二郎
Fusion Technology, 34(3), p.980 - 984, 1998/11
原研FNSにおいて、バナジウム及びバナジウム合金に関するベンチマーク実験を行った。厚さ5~25cmの実験体系にパルス状D-T中性子を入射し、体系から漏洩してくる中性子のエネルギースペクトルを0度及び25度の2つの角度点において飛行時間法により測定した。中性子の検出効率は、ベリリウム及び黒煙からの漏洩中性子スペクトル、Cf-252の核分裂スペクトル、水素の弾性散乱を利用して実験的に、そしてSCINFULコードによる計算も併用して決定した。測定した中性子スペクトルは、MCNP輸送計算コード及びJENDL-3.2,JENDL Fusion File,EFF-3,FENDL/E-1.0の4種の評価済み核データファイルによる計算値と比較した。その結果、すべての計算値は実験値とおおむね一致した。
前川 藤夫; 春日井 好己; 今野 力; 和田 政行*; 大山 幸夫; 池田 裕二郎; R.Johnson*; E.T.Cheng*; M.Pillon*; 村田 勲*; et al.
Fusion Technology, 34(3), p.1018 - 1022, 1998/11
核融合炉の低放射化構造材であるバナジウム合金(V-4Cr-4Ti)について、原研FNSにおいてベンチマーク実験を行った。一辺が約15cmの立方体形状のバナジウム合金を純バナジウム、黒鉛で取り囲み、一辺が約35cmの立方体形状の実験体系とした。D-T中性子を入射した体系中において、中性子スペクトル、各種反応率、線スペクトル及び線核発熱率を測定した。つぎに、輸送計算コードMCNPによりベンチマーク解析を行った。核データにはJENDL Fusion File,EFF-3,FENDL/E-1.0,FENDL/E-2.0の4種を使用した。今回のバナジウム合金に関する結果は以前に行った純バナジウムに関する結果とほぼ同一であり、使用したすべての核データファイルについて修正すべき有意な問題点のあることが判明した。
今野 力; 前川 藤夫; 和田 政行*; 小迫 和明*
Fusion Technology, 34(3), p.1013 - 1017, 1998/11
原研FNSで実施した鉄ベンチマーク実験の解析をJENDL Fusion File,FENDL/E-1.1,EFF-3.0ライブラリーを用いてDORTコードで行い、10MeV以上の中性子束の体系深部での大きな過小評価の原因を検討した。その結果、FENDL/E-1.1,JENDL Fusion Fileの鉄のデータのうち15MeV付近の弾性散乱の角度分布を最も前方の強いEFF-3.0のFeのデータと置き換えたライブラリーを用いると、10MeV以上の中性子束の体系深部での過小評価が大幅に改善されることがわかった。また、FENDL/E-1.1の鉄のデータと比べ、15MeV付近でJENDL Fusion fileの(n,2n),(n,np)反応断面積はそれぞれ9%、28%過大、EFF-3.0の非弾性散乱断面積では5%過小で、これらも10MeV以上の中性子束の体系深部での過小評価の要因であることを明らかにした。
桜井 健; 岡嶋 成晃; 袖山 博志; 大杉 俊隆; M.Martini*; P.Chaussonnet*; H.Philibert*; I.P.Matveenko*; S.P.Belov*; V.A.Doulin*; et al.
Proc. of Int. Conf. on Physics of Nucl. Science and Technol., 1, p.182 - 189, 1998/00
高速炉臨界実験装置FCAで行った実効遅発中性子割合()の国際ベンチマーク実験の成果を報告する。本実験はOECD/NEAにおける核データ評価国際ワーキンググループの枠組みの中で、高速炉のの予測精度向上のために行ったものである。特にの測定において、さまざまな手法による測定値間の相互比較を行うことにより測定上の目標精度3%を得ることを主眼において実験を行った。実験は、燃料組成を系統的に変化させて構築した3つの炉心、XIX-1(93%濃縮U炉心)、XIX-2(23%富化度Pu/U炉心)、XIX-3(Pu炉心)で行った。実験参加機関は、原研のほかにCEA(フランス)、IPPE(ロシア)、KAERI(韓国)、LANL(アメリカ)、名古屋大学である。これら参加機関がそれぞれ独立した手法で測定を行い、測定値間の相互比較を行った。その結果、個々の測定値間には測定誤差を越えるばらつきが生じた。しかし、これら測定値の平均をとることにより、測定上の目標精度3%を満足することができた。実験解析はJENDL3.2核データファイルに基づいた。
岡嶋 成晃; 桜井 健; 向山 武彦
JAERI-Conf 97-005, 00(00), p.71 - 76, 1997/00
実効遅発中性子割合()の予測精度向上を目的とした国際ベンチマーク実験が実施されている。この実験は、MASURCA(フランスCEA-Cadarache)でのベンチマーク実験とFCA(日本 原研-東海)でのベンチマーク実験から成る。1993~1994年に実施されたMASURCAでの実験では、6ヵ国が参加して、組成の異なる2つの炉心でそれぞれの手法で測定を行った。FCAでの実験では、MASURCAでのベンチマーク実験を補完することを目的として、組成の異なる3つの炉心が選定された。FCAでの実験は1995年に開始し、現在も実施中である。一連の実験は、OECD/NEA/NSCでの核データ評価国際協力ワーキングパーティー(WPEC)の課題として受け入れられている。
林 克巳*; 半田 宏幸*; 今野 力; 前川 藤夫; 前川 洋; 真木 紘一*; 山田 光文*; 阿部 輝夫*
Fusion Engineering and Design, 28, p.525 - 533, 1995/00
核融合装置の遮蔽設計に用いられる設計コードと核データの検証に遮蔽ベンチマーク実験は非常に有効である。効果的な実験体系を選定するためには予備解析が重要になる。今回、FNSで計画されているボイド実験、補助遮蔽体実験、超伝導電磁石(SCM)模擬実験について予備解析を行った。予備解析ではGRTUNCLコードにより作成された初回衝突線源を基に二次元輸送計算コードDOT3.5を用いた。群定数はJENDL-3から作られたFUSION-40を使用した。ボイド実験ではボイドの形状・サイズ・配置について検討し、補助遮蔽体実験では補助遮蔽体候補のBC/Pb、W、BC/Wの厚さと配置について調べた。また、SCM模擬実験では液体ヘリウム及びSCMの組成を実験的にどのように模擬したらよいかを検討した。これらの検討結果を基に、検出器の効率及び測定時間を考慮して最終的な実験体系を決定した。
中島 宏
JAERI-M 92-025, 171 Pages, 1992/02
本研究では、先ずDT反応型核融合炉の遮蔽設計上重要な課題について一連の工学的ベンチマーク実験を実施した。それに基づいて、ITERの概念設計で用いられる遮蔽計算手法、DOT3.5及びMCNP-3の計算精度を評価し、計算手法の問題点の摘出を行った。さらに、現在開発中のBERMUDAについて検討した。304s.s.製段違い狭小スリット体系の中性子ストリーミング問題では、DOT3.5及びMCNP-3はITERの概念設計で想定されている計算精度で適用可能であることを示した。また、多段層スリット中性子ストリーミング問題では、MCNP-3が、316Ls.s.体系内の2次線核発熱問題では、DOT3.5がそれぞれ適用可能である。一方、316Ls.s.体系内の中性子深層透過問題及び大きな空洞内における中性子挙動問題では、BERMUDAが有効な手法であることを明らかにした。
権 セロム; 太田 雅之; 落合 謙太郎; 佐藤 聡; 今野 力
no journal, ,
約20年前にJAEA/FNSで銅ベンチマーク実験が行われた、数keV以下の中性子に係る実験値と解析値に不一致がみられた。この原因の一つとして実験室の壁からのバックグラウンド中性子による影響が考えられるため、バックグラウンド中性子を低減させた銅実験体系を構築し、新たな銅ベンチマーク実験を実施した。解析はモンテカルロ中性子輸送コードMCNP5-1.40と最新の核データライブラリーのENDF/B-VII.1, JEFF-3.2, FENDL-3.0(ENDF/B-VII.0), JENDL-4.0で行い、反応率と核分裂率の計算にはドジメトリファイルのJENDL Dosimetry File 99を用いた。前回のAu(n,)Auの結果に比べるとJENDL-4.0を用いた計算結果は若干改善されたものの、まだどの核データライブラリーを用いた解析値も実験値を大幅に過小評価し、この過小評価の原因が銅の核データにあることがわかった。
権 セロム*; 今野 力; 太田 雅之*; 佐藤 聡*
no journal, ,
JAEA/FNSで行った銅ベンチマーク実験を核データライブラリENDF/B-VIII.0及びJEFF-3.3を用いて解析したところ、10MeV以上の中性子に感度を有するNb(n,2n)Nb反応の反応率をENDF/B-VIII.0を用いた計算値は実験値を大幅に過小評価、JEFF-3.3を用いた計算値は実験値を大幅に過大評価した。今回、この原因を調べ、数MeV以上の(n,np)や(n,n')反応等のデータに起因することがわかった。